春の海
この曲は昭和4(1929)年,
宮城道雄が35
歳のときの作品です。春の海の様子やかもめの声などを
描写した,
こと(箏)と
尺八による
二重奏の曲です。
宮城が
瀬戸内海を旅行したおりに,美しい
桃の花が
咲き
乱れるという島々の様子の会話を耳にして,それらの島の
情景を思いうかべて,この曲をつくったといわれています。この曲は,
箏と
尺八のいろいろな音色を味わったり,2つの楽器のかけあいを楽しんだりすることができます。
また,この曲は
宮城の残した数多くの作品の中で最も親しまれている曲であり,
箏の代わりに
ハープ,
尺八の代わりに
バイオリンや
フルートなどを使った編曲のものは,外国の音楽家たちにも好んで
演奏されます。