武満(たけみつ)徹(とおる)

(1930〜1996 東京)
武満徹は,戦後,現代音楽の分野で活躍かつやくし,世界的にも広く知られる日本の作曲家です。
かれは,戦後,進駐軍しんちゅうぐんのラジオ放送でクラシック音楽をきいて作曲家を志し,ほとんど独学で作曲を始めました。20さいのころ初めて発表したピアノ曲は,当時としてはあまりに独創的だったので,評論家から「音楽以前である」と批判されてしまったそうです。しかし,27歳のときに作曲した「弦楽げんがくのためのレクイエム」が,のちに来日したストラヴィンスキーに賞賛され,彼は一躍いちやく注目の作曲家となりました。
それから彼は,あらゆる前衛的な手法を取り入れたり,琵琶びわと尺八とオーケストラのための「ノヴェンバー ステップス」のように現代音楽に日本の伝統楽器を組み合わせたりして,実験的な作品を次々と生み出し,たくさんの成功を収めます。やがて,彼のつくる音楽は静かなひびきを特徴とくちょうとするようになり,「鳥は星形の庭に降りる」などをはじめとして,「武満トーン」と呼ばれる独特の音の世界を深めていきました。彼の作品は,音楽界のさまざまな賞にかがやき,欧米おうべい各地でも非常に高い評価を受けています。
そのほか彼は,現代音楽祭「今日の音楽」の音楽監督かんとくを務め,20年間にわたって世界の新しい音楽を日本に紹介しょうかいしました。また,映画音楽,著作なども数多く手がけました。

※前衛:芸術などの分野で,その時代の人々よりも進んで新しいこと。

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