芥川也寸志
(1925〜1989 東京)
芥川也寸志は,戦後の時代に
活躍した日本の作曲家です。
彼は大正14年,作家,芥川
龍之介の三男として東京に生まれました。2
歳で父を
亡くした彼は,子どものころ,父の残したレコードでストラヴィンスキーの音楽を聴くのが好きだったそうです。
16歳のころに音楽の道へ進むことを決意すると,
猛勉強の末,18歳の年に東京音楽学校の作曲科に入学します。そのころ日本は第二次大戦の真っただ中で,彼もまもなく学徒動員によって陸軍
戸山学校軍楽隊に入りますが,終戦後に音楽学校にもどり,
伊福部昭に学んで大きな
影響を受けました。
作曲家としては,25歳のときに「
交響管弦楽のための音楽」がNHKの管弦楽曲
懸賞の特賞となり,注目を集めます。その後,
團伊玖磨,
黛敏郎とともにグループ「3人の会」を結成し,管弦楽曲を中心に数々の作品を発表していきました。
主な作品には,弦楽のための3楽章「トリプティーク」や「エローラ交響曲」などがあります。また彼は,映画音楽や放送音楽,「小鳥のうた」などの
童謡も数多く作曲しました。そのほか,テレビの音楽番組の司会やアマチュアの新交響楽団の音楽
監督なども務め,たいへん幅広い活動を行いました。
※東京音楽学校:現在の東京芸術大学音楽学部。
※伊福部昭(1914-2006):戦前から戦後にわたって活躍した日本の作曲家。「日本」をはじめ,民族色のい力強い管弦楽曲を多く書いたほか,映画「ゴジラ」の音楽の作曲者としても有名。