こんぴら船々 |
香川県を代表する民謡である「こんぴら船々」の歌詞は,以下のようなものです。
金毘羅船々 追手に帆かけて
シュラ シュ シュ シュ
廻れば四国は 讃州那珂の郡
象頭山 金毘羅大権現
(一度廻れば)
あまり聞いたことのない言葉も出てきますので,内容について説明してみましょう。
「金毘羅大権現」は,古くから航海や海にかかわる神さま,「こんぴらさん」として親しまれていました。瀬戸内海は,昔から漁業や船での運送業が盛んだったこともあって,船で旅する人が安全に航海できるようにお願いしたり,漁師たちが豊漁になるようにお願いしたりするため,「こんぴらさん」をよくお参りしたそうです。
その金毘羅大権現があったのが,「讃州の那珂の郡」にある「象頭山」という山の中腹です。讃州とは,讃岐のことで,香川県の昔の呼び名です。また,那珂の郡とは,金毘羅大権現(今の金刀比羅宮)がある地域の昔の呼び名です。象頭山は,香川県西部にある琴平山の別の呼び名になります。
さて,江戸時代になると,「こんぴらさん」は全国的に有名になっていて,願い事をかなえてもらおうと大阪や九州などからも,たくさんの人々がお参りに来たそうです。そうしたお客さんを乗せて,大阪などの港と香川県北西部にある丸亀港との間を往復した船のことを,金毘羅船と呼びました。
「追手」は「追風」と書くこともあり,追い風(順風)を帆に受けて,金毘羅船が進む様子が目にうかびます。「シュラ シュ シュ シュ」は,波の上をおだやかに船が進んでいく様子を歌っているといわれています。
以上,簡単に説明しましたが,「こんぴら船々」の歌の様子をイメージすることができたでしょうか。
金刀比羅宮は石段の多さでも有名で,参道の登り口から御本宮までは785段,さらに奥社まで行くと,1368段にもなり,現在,年間およそ350万人の人たちが訪れています。 |
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