山梨県
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縁故節 |
「アリャセー コリャセー 縁で添うとも 縁で添うとも…」の歌詞で始まる「縁故節」は,山梨県を代表する民謡の一つです。19世紀後半ころから峡北地方(北巨摩)で歌われ伝わったと思われる仕事歌「えぐえぐ節」が元になっています。これを大正13年,韮崎市の山岳会「白鳳会」の有志が,地元の山岳観光を宣伝するために編曲したのものが,この「縁故節」の始まりです。 哀愁を帯びた「縁故節」は,単調・素朴で情緒深い田舎ふうの静かな曲です。地区によっては,いろいろな「替え歌」が作られ,お座敷唄や盆踊り唄として,また気軽に口ずさむ鼻歌として,長い間多くの人々に親しまれてきました。今でも地元小学校の運動会では,父母や地域の方々といっしょに,この「縁故節」を踊っています。 最後に,この曲の類似曲のことにふれなければなりません。それは「島原の子守歌」と「縁故節」の関係です。この2つの曲は,旋律と歌詞の構成がほとんど同じなのです。どちらの曲が原曲なのか,という疑問については,すでに九州や山梨の研究者,また各種団体の調査などによって,「縁故節」が原曲であることが分かっています。 【参考曲】 馬八節 奈良田の子守歌 甲州金山節 甲州よさこい節 ささら獅子舞歌(丹波山村) |
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