鹿児島県かごしまけん:|朝花節あさばなぶし市来いちき七夕たなばたおどり鹿児島かごしまおはらぶし

 


朝花節あさばなぶし

 朝花節は,奄美大島あまみおおしまの代表的な民謡みんようで,歌遊びやいわいの行事,宴会えんかいなどで歌われます。歌遊びの場面では,あいさつの歌として最初さいしょに歌われることが多いです。宴会の最後や別れの場面では,「送り朝花」,「わかれ朝花」とばれます。
 朝花節の歌い方には一定の決まりはなく,歌詞かしのパターンもさまざまです。大まかには,祝いの行事で歌われる「長朝花節ながあさばなぶし」,歌遊びで短時間歌われる「朝花節(はやり節)」,テンポの速い「一切ちゅっきゃり朝花節」に分類されます。長朝花節では,1つの歌詞が反復して歌われるため,ほかの朝花節よりも長い歌です。
 伴奏ばんそうには三味線しゃみせんが使われます。演奏えんそうするときは,ばち(細長いイチョウ型のもの)を使い,ある5つの音でできた律音階りつおんかいという音階で演奏されます。
 また,裏声うらごえで多く歌われるのも特徴とくちょうです。
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市来いちき七夕たなばたおどり

 市来の七夕踊は,鹿児島県いちき串木野くしきの大里おおざとで,旧暦きゅうれきの七夕のころの8月5日から11日の間の日曜日に開かれます。
 400年ほど前の武将ぶしょう島津しまづ義弘よしひろいくさでの活躍かつやくいわって領民りょうみんおどったのが始まりという説があり,とても長い歴史れきしをもっています。昭和56 (1981)年に,国の重要じゅうよう無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざいに指定されました。
 青年や子どもの踊り手が,太鼓たいこかねを打ちながら歌に合わせて踊る太鼓たいこおどりを中心に,身近な材料ざいりょうで作った,鹿しかとら,牛,つるの4種類しゅるいの動物の大きなり子や,武士ぶしなどの姿すがた仮装かそうした人たちの行列がくり出されます。

 大里地区の神様や先祖せんぞれいに,踊りを奉納ほうのうすることによって,豊作ほうさくねがっているといわれています。
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鹿児島かごしまおはらぶし

 「花は霧島きりしま たばこは国分こくぶ えてあがるは (オハラハ)桜島さくらじま」と歌われているのは,鹿児島県を代表する民謡みんよう「鹿児島おはら節」です。
その昔,薩摩さつま(今の鹿児島県)の島津しまづ氏は,日向ひゅうが(今の宮崎県みやざきけん)までおさめていました。そのころ日向で歌われていた「安久節やっさぶし」を薩摩の武士ぶし農民のうみんたちが聞き覚え,歌詞かしを作り変えて歌ったところ,地方にまで広がっていきました。特に「原良はらら」一帯でよく歌われていたそうです。その「原良」に「小」をつけ,「小原良節おはらぶし」とばれるようになったといわれています。
ところで,「おはら節」と呼ばれる歌は,他県にもいくつかあります。昭和の初めごろ,鹿児島で博覧会はくらんかいが行われることになり,この曲がレコード化されました。このとき,他県のものと区別するために「鹿児島おはら節」と曲名が決められました。(現在げんざい歌われているのは,中山晋平なかやま しんぺい編曲へんきょくのものです。)
現在,鹿児島市では11月に「おはら祭り」がにぎやかに行われ,「鹿児島おはら節」が多くの人々によっておどられ,歌われています。また,小学校や中学校などの秋の運動会で踊られることもあります。

「鹿児島おはら節」の特徴とくちょうをまとめてみますと,

・軽快なリズムで,はなやかなこと
・明るく楽しい節
・きびきびした速さ
・鹿児島県の名所や明治の偉人いじん・食べ物などが歌いこまれた歌詞

などが挙げられるでしょう。

歌詞の一部を紹介しょうかいします。

見えた見えたよ 松原まつばらごしに
丸に十の字の (オハラハ)が見えた
雨のらんのに 草牟田川そむたがわにごる
伊敷原良いしきはららの (オハラハ)化粧けしょの水

【参考曲】
鹿児島はんや節
鹿児島浜節かごしまはまぶし
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