長崎県: | 長崎くんち| 長崎ぶらぶら節|
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長崎くんち |
長崎くんちは,長崎市にある諏訪神社で行われる例大祭のことで,国の重要無形民俗文化財にも指定されています。江戸時代の初め(1634年)に始まったとされ,370年以上の長い歴史をもっています。 現在,例大祭は毎年10月7日から9日までの3日間行われていますが,以前は旧暦の9月9日に行われていました。そのため,「くにち(九日)」が「くんち」の語源だといわれています。 江戸時代,この地方には77の町があり,それを7つに分けて1つの町が7年に一度,踊りを奉納することになりました。その当番になった町を「踊町」といいます。その習わしは今も続いていて,踊町になった町はそれぞれに,「龍踊り」をはじめ,「本踊り」,「太鼓山(コッコデショ)」「鯨の潮吹き」などの出し物(奉納踊り)を披露します。このとき,それぞれの踊町の先頭に立つのが「傘鉾」で,さまざまな飾り付けがされた傘鉾は,重さが130〜150kgにもなるそうです。 長崎くんちのお囃子は,「しゃぎり」と呼ばれ,演奏には笛と締太鼓が使われます。このしゃぎりも,長崎くんちには欠かせない存在なのです。 |
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長崎ぶらぶら節 |
「長崎ぶらぶら節」は,作家のなかにし礼さんが第122回の直木賞を受賞した同名の小説とそれをもとにした映画で有名になりました。小説の主人公は実在の人物で,昭和6年にこの歌を歌い,レコードにふきこんだ芸者の愛八(本名,松尾サダ)さんと,長崎の歴史や文化を研究していた古賀十二郎さんです。この二人が歌探しの旅で発見したという歌が「長崎ぶらぶら節」で,歌詞には長崎の名所や風物,事件などが歌いこまれています。 長崎名物 はた揚げ盆祭り 秋はお諏訪のシャギリで 氏子がぶうらぶら … この歌詞には,長崎を代表する年中行事,春の凧揚げ,夏の精霊流し,秋のおくんちが歌いこまれています。 長崎の方言では凧をハタといい,春になると糸をからませて引き合う凧合戦が盛んに行われます。糸を切ったほうが勝ちとなるため,糸にはガラスの粉をつけて補強します。旧暦の3月に風頭山,唐八景などで江戸時代から行われていました。その日は前夜から多くの 見物人がおしよせ,たいそうにぎわったそうです。 歌手のさだまさしさんの歌でも有名な精霊流しは,長崎の夏の風物詩です。 長崎くんちは,龍踊りなどの多彩な出し物が有名な諏訪神社の例大祭で,10月7日からの3日間,にぎやかなしゃぎりの音が町中にあふれます。 嘉永七年 きのえの寅の年 四郎ヶ島見物がてらに オロシャがぶうらぶら… この歌詞には,嘉永6年(1853年),鎖国の時代の長崎にロシアの軍艦4隻が入港したプチャーチン事件が歌いこまれています。その当時,長崎港入口にある四郎ヶ島には,肥前鍋島藩(現在の佐賀県)の築いた砲台があり,外国船の警備にあたっていました。 歌詞の一部を紹介しましたが,このほかにも「長崎ぶらぶら節」には,たくさんの長崎の生活や文化が歌いこまれています。 ※しゃぎり…お囃子のこと 【参考曲】 田助ハイヤ節 |
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