山口県
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男なら |
山口県を代表する民謡の一つで,江戸時代の終わりごろ,萩地方で歌われるようになったものです。別名として,「オーシャリ節」「維新節」「長州音頭」などと呼ばれることもあります。 江戸時代の終わりごろ,尊皇攘夷(天皇を中心とした強い国を目指して,日本にやってくる外国人を武力で追いはらう考え方)の運動がおこりました。その考えを受けて,萩を中心とする長州藩は外国からの攻撃に備えて,萩市菊ヶ浜の海岸に外国からの攻撃を防ぐための土塁(土で固めた高い壁(かべ))をつくることになりました。その工事には,派手な着物を着た武家の妻や萩城の女中もすすんで加わりました。 当時,このような仕事に女の人が加わるのはたいへんめずらしいことでした。「男なら」はそのとき,女性の間で歌われたものと伝えられています。「男なら」とは「もしも自分が男だったら」という意味で,国(長州藩)を守りたいという強い心意気を歌い上げています。また,囃しことばの「オーシャリ」とは萩地方の方言で「おっしゃるとおりです」という意味です。 【参考曲】 南蛮音頭(宇部地方) 木遣り(光市室積) |
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