高知県こうちけん

 


よさこい節よさこいぶし

 「よさこい」とは,土佐弁とさべんで「今晩こんばんおいでなさい,来てください」という意味です。漢字を当てはめると「夜さ来い」「夜更来」「宵更来」などと表記し,元々はお座敷ざしきで歌われていた歌でした。
歌詞かしの中で有名なのが,今の高知市こうちし五台山ごだいさん竹林寺ちくりんじ修行しゅぎょうしていたそう純信じゅんしん恋仲こいなかのおうまおくるため,播磨屋橋はりまやばし小間物屋こまものやでかんざし(女性のかみかざるもの)を買ったという出来事をあつかったものです。
この出来事が当時流行していた「よさこい節」に乗せて歌い始められたということですが,郷土史きょうどしの研究家によると,実際じっさいにかんざしを買ったのは純信ではなく,同じ寺の慶禅けいぜんという修行僧とするのが定説です。この歌が流行し,純信とお馬がけ落ちをしたことから,自然とおぼうさんの名前がすりかわったそうです。

 「よさこい節」といえば,「よさこい祭り」が有名です。昭和20年の大空襲だいくうしゅうと終戦,翌年よくねん南海大震災なんかいだいしんさいと,高知市の人々は荒廃こうはいの中で苦しみました。しかし,昭和22年に「第1回復興ふっこう祭」,昭和25年には「南国高知産業大博覧会はくらんかい」などと,徐々じょじょに復興を目指していきました。こうした祭りでは,「よさこい節」がいつもテーマ音楽として用いられ,高知市の人々に希望と勇気をあたえてくれたのです。
そして,ついに昭和29年,景気回復かいふくの願いをこめて,地元商店街を中心に第1回の「よさこい祭り」が始まりました。このときから「よさこい鳴子踊りなるこおどり」として,歌と踊りが一つになり,祭りをり上げることとなりました。高知では縁起えんぎがよいとされてきた「鳴子」と「ヨッチョレヨ」,「ヨイヤサノサノ…」という掛け声かけごえを加え,よりはなやかな祭りになりました。第1回目は,7カ所のステージで21団体だんたい,750人が参加しました。平成11年には,「よさこい全国大会」が開かれ,平成15年の第50回「よさこい祭り」には,約170団体,総勢そうぜい2万人の踊り手が参加しました。

「よさこい祭り」の音楽は,昔は正調とばれる落ち着いた音楽でした。最近は,それに加え,ロック調,サンバ調など,様々な音楽が使われ,また,踊りや衣装いしょうなども自由な発想であることから,北海道の「よさこいソーラン」など日本各地で,また世界でも愛されています。
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