奈良県: |
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春日若宮おん祭の神事芸能 |
奈良県の春日大社とゆかりの深い神様をまつっている若宮神社では毎年12月にお祭りが行われます。 このお祭りの特色は、数多くの芸能が奉納されることにあり,平安時代の終わりごろ(1136年)から今日まで,一度もと切れることなく900年近く続いています。 中でも,いろいろな時代の衣装を華やかに着かざった人々が行列をつくって練り歩く「お渡り式」,日本に古くから伝わるさまざまな伝統芸能が見られる「お旅所祭」は見どころの一つとなっています。 稚児と呼ばれる子どもたちもお祭りの各所で活躍します。 昭和54(1979)年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。 |
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吉野川筏歌 |
吉野杉という良質な木材で有名な奈良県南部の吉野一帯は,林業が盛んだった地域です。その名のとおり,林業とは木々を育てて,そこから木材を得る仕事ですが,その仕事の中には,実際に木を切る仕事,切られた木を運び出す仕事や,それを木材に加工する仕事など,いくつかの種類があります。 山おくから切り出した木を運ぶ仕事のうち,山道を下って運ぶのではなく,切り出した木を川の流れをせき止めたところに集めて,筏を作り,それに乗って川を下り,下流や河口へと運ぶ仕事を筏流しといいます。 吉野川筏歌は,吉野川でこの筏流しをしていた人たちが歌っていたもので,「吉野筏流し歌」と呼ばれることもあります。吉野川は,奈良県南東部の辺りで生まれて北に向かい,桜の名所としても有名な吉野山を左手に見ながら西に向かって流れる清流で,和歌山県に入ると紀ノ川と呼ばれます。吉野川の筏流しは,江戸時代にはすでに行われていたようです。吉野川には大きく曲がったところや流れの速い部分があり,川のとちゅうでひっかかってしまったり,筏から落ちてしまったりと,一人まえになるには長年の訓練と経験が必要とだったそうです。吉野川筏歌は,この筏流しの仕事をしながら見える風景やそのときの気持ちを歌っていて,流れの速いところと遅いところでは歌詞や歌い方が異なるものがあります。 その後,道路が整備され,トラックなどによる木材の輸送が始まると,それまで木材を運ぶための主要な方法であった筏流しは姿を消していきました。それにともなって,歌われる機会も減っていった吉野川筏歌ですが,今では,各地の民謡大会などで歌われています。 吉野川筏歌について知ることは,この川で昔,筏に乗りながら仕事をしていた人たちがいたことを語りつぐことにもなるのでしょう。吉野川以外の筏歌としては,栃木県の鬼怒川や長野県の天竜川のものが有名です。 ※「歌」という字には,「唄」という字が使われることがあります。 |
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