岐阜県ぎふけん: |郡上節ぐじょうぶし高山祭たかやままつり屋台やたい行事

 


郡上節ぐじょうぶし

 郡上市八幡町ぐじょうし はちまんちょうは,奥美濃おくみのの山々に囲まれ,長良川ながらがわに清流,吉田川よしだがわが合流する盆地ぼんちにあります。通りには古い家々が立ちならび,小京都しょうきょうとのようなおもむきがあります。この町が,夏には大勢おおぜいの人々が他県からおとずれ,わき返るのです。人々の目的は,単なる観光ではなく,盆踊りぼんおどりとして全国的に有名な「郡上踊りぐじょうおどり」を踊ることです。踊りにはだれでも自由に参加できます。7月中旬ちゅうじゅんから9月上旬にかけて行われ,特に8月のお盆の4日間は「徹夜踊りてつやおどり」といって明け方まで踊られます。

この踊りの始まりは,寛永かんえい年間(1624〜1644年)とも,宝暦ほうれき8年(1758年)以降いこうともいわれ,藩主はんしゅ領地りょうち内の住民がたがいにうちとけられる機会となるように,この踊りを奨励しょうれいしたことによるということです。大正時代には保存会ほぞんかいが結成され,より洗練せんれんされた踊りに仕立て直されました。当初は,「かわさき」と「三百」だけで,踊り手がたがいに歌いながら踊ったようですが,今では曲数も9曲になり(「古調かわさき」を入れれば10曲),踊り歌が屋台やたいの上で三味線しゃみせん太鼓たいこ・笛・拍子木ひょうしぎなどの囃子はやしとともに歌われ,踊り手はそれを囲むように幾重いくえにも輪になって踊ります。

夜になると,屋台の上につるされた灯籠とうろうに灯が入り(祖先そせんれい供養くようする盆踊りであることを意味します),踊りが始まります。ふだん着の人もいますが,げたをはいた浴衣姿ゆかたすがたの人々もあり,それが夏の夜の盆踊りらしい雰囲気ふんいきをかもし出しています。まずは,しっとりとした情趣じょうしゅあふれる「かわさき」がしばらく踊られます。やがて曲目は次々とかわっていきます。踊りは,ゆったりとした手の動きが中心になる踊りから,テンポが速く躍動的やくどうてきな踊りまでさまざまです。

踊り上手の人には,保存会から「踊り免許状おどりめんきょじょう」という認定証にんていしょうが手わたされ,それをもらうことが参加者の楽しみになっています。この踊りの人気の一つといえましょう。また,郡上節のそのほかの曲として,「春駒はるこま」,「げんげんばらばら」,「やっちく」などがあります。

【参考曲】
おばば
ほっちょせ
高山音頭
こだいじん
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高山祭たかやままつり屋台やたい行事

 高山祭とは,春の「山王祭さんのうまつり」と秋の「八幡祭はちまんまつり」,二つのお祭りのことを指しています。春の山王祭は4月14~15日に日枝ひえ神社で,秋の八幡祭は10月9~10日の櫻山八幡宮さくらやまはちまんぐうで開かれます。
 高山祭の始まりは,16世紀後半から17世紀ころとされ,高山の人々に長く大切に守りつがれています。伝統でんとう衣装いしょうをまとった数百人の大行列が,お囃子はやし雅楽ががく獅子舞ししまいをひろうしながら,祭りの地域ちいきをめぐるのも,見どころの一つです。
 さらに,立派りっぱかざりや彫刻ちょうこくがほどこされた屋台は有名で,春の祭りには12,秋の祭りには11基の屋台がひきそろえられます。一部の屋台で見られる,からくり人形の奉納ほうのう特徴とくちょうの一つでしょう。夜には,やく100提灯ちょうちんともされた屋台が町をめぐり,昼間とはちがった美しさを味わうことができます。
 こうした「高山祭の屋台行事」は国の重要無形民俗文化財じゅうようむけいみんぞくぶんかざいに指定されており,平成へいせい28(2016)年には,「山・ほこ・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産むけいぶんかいさん代表一覧表だいひょういちらんひょう記載きさいされました。
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