群馬県ぐんまけん: |草津くさつぶし八木節やぎぶし

 


草津くさつぶし
 群馬県の草津くさつ温泉おんせんを代表する民謡みんようには,草津節,草津湯もみうた,草津小唄こうたの3種類しゅるいがあり,これらはそうじて「湯もみ唄」とばれています。
 「湯もみ唄」は,50度ほどの高温の湯の温度を下げるために板で湯をかき回す「湯もみ」のときに歌われます。
 草津節は,曲調が明るく,“ドッコイショ“や,“チョイナチョイナ“といった囃子詞はやしことばが入るのが特徴とくちょうです。
 もともとは,さまざまな歌が歌われていましたが,大正時代に民謡みんよう音階おんかいで,“チョイナチョイナ“の囃子詞を歌う歌が定着しました。現在げんざい歌詞かしは,大正6(1918)年ごろに草津をおとずれた平井ひらい晩村ばんそんによってつくられたとされています。
 草津節の原曲は,埼玉県の「機織はたおり歌」,または茨城いばらき県の「ゲンタカ節」ともいわれています。
 一方,みやこぶし音階おんかいで,“ヨホホイ“の囃子はやしが入る「草津湯もみ唄」もあります。これは,神奈川かながわ県の「ダンチョネぶし」が起源きげんで,学生歌として大正時代以降いこうに,かえ歌として流行したといわれています。
 一般いっぱんてきには,“チョイナチョイナ“のほうを「草津節」と呼び,“ヨホホイ“のほうを「草津湯もみ唄」と呼んでいますが,地元ではこれらの歌の題名を入れかえて呼ぶこともあるようです。
 草津小唄は昭和3(1928)年に相馬そうま御風ぎょふう作詞さくし中山なかやま晋平しんぺい作曲でつくられました。
 古くから湯もみ唄として親しまれてきたこれらの民謡は,今でも伝統でんとうとして草津の町にのこされています。
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八木節やぎぶし
 「八木節」の名は,日光例幣使街道にっこうれいへいしかいどう宿場町しゅくばまちである八木宿やぎじゅく現在げんざい栃木県足利市とちぎけん あしかがし)から由来します。日光例幣使とは,江戸幕府えどばくふを開いた徳川家康とくがわ いえやすを祭った日光東照宮にっこうとうしょうぐうに,朝廷ちょうていから供え物そなえものを送るために派遣はけんされた一行のことです。この例幣使一行は,木曾街道きそかいどうから碓氷峠うすいとうげを下って高崎市倉賀野たかさきし くらがの中山道なかせんどうと別れ,玉村から太田おおた足利あしかが(八木宿),金崎かなさきを通って日光東照宮へ向かいました。この道のりの玉村から金崎までの92kmを日光例幣使街道といいます。街道沿いには旅人のための宿場町が栄え,日光例幣使街道には13の宿場町が存在そんざいしました。

八木節はその源流げんりゅう上州じょうしゅう地方一帯の盆歌ぼんうた盆踊り歌ぼんおどりうたのこと)に見ることができます。明治時代に入ると八木宿の近くで運送業をいとなんでいた清三が,馬のひずめのリズムを伴奏ばんそうに盆歌を歌ったものが評判ひょうばんとなりました。清三は馬を引き,各宿場町を行ったり来たりしながら,その土地土地の民謡みんようなどもうまく取り入れて馬方節うまかたぶしを作り上げました。清三の美声と歯切れのよいリズムとテンポは宿場町の人たちの間でたいへん人気があったということです。
そして,評判を聞きつけた者の中には清三に教えを習う者も多く,しだいに新しい盆踊り歌の流行が生まれました。清三から何人かの人脈じんみゃくて明治の後半に,この盆踊り歌を現在の八木節の形にしたのが,堀込源太ほりごめげんた(本名 渡辺源太郎),矢場勝やばかつ(新井勝一郎),喜楽家きらくや(久保秀三九)の3人です。3人は互いにとなり村どうしで大の盆踊り好きでありました。矢場勝の歌は節回しにおいて,源太の歌は音量において,喜楽家は踊りにおいて,というふうにそれぞれの長所を生かし,酒だるに笛,かねつつみ日傘ひがさを使うという,現在の八木節の形ができあがりました。大正時代の初めに矢場勝と源太は東京に進出し,この上州人気質きしつのからっとした歯切れのよい明るくにぎやかな節回しが,東京の人々にも受け入れられ,レコード化することになりました。録音が終わり,レコード発売の時にこの曲の題名を創始者そうししゃ3人が活動の拠点きょてんとしていた地名を取って「八木節」として売り出しました。
現在げんざい,「八木節」は太田,足利,桐生きりゅうを中心に地域ちいきに深く根付き,大人はもちろん小・中学生にも愛好者をやし,地元の夏祭りや盆踊りでは欠かせない存在として人々に愛されています。

【参考曲】
草津節くさつぶし
木崎音頭きざきおんど
赤城馬子唄あかぎまごうた
だんべえ踊りだんべえおどり
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