八木節 |
軽快な歌とにぎやかなお囃子でよく知られる「八木節」は,生まれた栃木県はもちろんのこと,群馬県をはじめ全国の多くの人々に親しまれ,歌い続けられています。 八木節は,明治時代に,栃木県足利市に住んでいた堀込源太(本名 渡辺源太郎)によってまとめあげられました。堀込源太は,そのころ,八木宿(今の栃木県足利市福居町)で歌われていた盆踊り歌を,独特の節回しによる「源太節」として歌っていました。その後,レコード化されたときに,地名の「八木」を取って「八木節」と名付けられ,全国に知られるようになりました。
堀込源太は,美しい声の持ち主で,毎日馬車を引きながら,馬のえさを入れる桶をたたいて拍子を取りながら歌っていたので,これが,空のたるをたたきながら八木節を歌う今の形になったといわれています。 はじめのころは,八木節を歌うときに,たると篠笛などを伴奏としていましたが,後には大鼓や鉦などを加え,にぎやかで陽気な伴奏となりました。
八木節の歌詞は,堀込源太がよく歌っていた何種類かだけではなく,全国の愛好する人々によって,その土地ごとにいろいろなものが新たに作られています。中でも,「国定忠治」や「五郎正宗」,「鈴木主水」などは有名です。
八木節は,初代の堀込源太が引退した後も,二代目から三代目,そして四代目へと受けつがれて今に続いています。また,栃木や群馬をはじめ全国には,数多くの保存会や愛好会などが作られ,大人から子どもまで盛んに活動が行われているほか,毎年「八木節」の歌や踊りの大会が開かれたりして,新しい歌詞や新しい踊りが発表されています。
【参考曲】 日光和楽踊り 足尾石刀節 鬼怒の船頭唄
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山あげ祭 |
山あげ祭は,栃木県那須烏山市で最大の祭り(奉納行事)です。毎年7月の第4土曜日を含む金・土・日の3日間に行われます。
八雲神社の神輿の巡幸と,市内各町の屋台と大道具を乗せた地車という仮設の舞台が町中で展開される,日本一の移動式野外劇からなっています。
山あげ祭の見どころでもある舞台の組み立ては,「烏山の山あげ行事」と呼ばれます。移動式の舞台は,木頭と呼ばれる指揮役の人が打ち鳴らす拍子木の音を合図に,町の若い男性たちによって組み立てられます。組み上げる人たちの団結によって,早く正確に組み立てることが求められています。
舞台の後ろには前山,中山,大山という舞台背景が立てられ,高さ10メートル以上,奥行き100メートル以上にもなります。この舞台背景は,栃木県の烏山特産の和紙を何枚も貼り重ねてつくられています。和紙を貼り重ねると仕上がりに凹凸が出るため,最初は薄手の和紙から貼ります。貼っては乾かしをくり返し,最終的には上質の厚手のものを表面に貼り完成となります。
完成した舞台では,常磐津所作(踊り)が行われ,三味線と唄にのって,地元の踊子が踊ります。常磐津所作は,3日間で約20回も舞台を組み立てて行われます。
「烏山の山あげ行事」は,国の重要無形民俗文化財に指定されています。 平成28(2016)年,「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に登録されました。
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