山形県やまがたけん 

 


花笠音頭はながさおんど
 花笠音頭は,山形県を代表する民謡みんようの一つです。別名,花笠踊り唄はながさおどりうたともいわれています。山形市より北へ約40km,雪の三大名所である尾花沢おばなざわがその発祥はっしょうの地です。大正8〜10年にかけて,農作物を育てるための水をためておく池を作っていたときこの唄が生まれました。

そのいきさつは,次のようなものです。この池の名を徳良湖とくらこといいますが,かなり大きなため池で,たくさんの人々がかかわって作りあげました。当時はとても大変な工事だったようです。この工事では,やぐらを組んで重い石を数人で高いところまで引き上げ,一気に下へ落として土を固めるところがありました。数人の人が調子を合わせるため,唄を歌いながら作業をしました。その作業唄さぎょううた土搗きどつき唄)に船方節ふなかたぶし八木節やぎぶしなどがじり合って花笠踊り唄ができたといわれています。

歌詞かしは150番にもおよび,当時の人々の生活の様子をうかがうことができます。そして,唄に合わせて,各地区から集まった人々が頭にかぶっていたすげ笠すげがさをまわし,それぞれの振り付けふりつけおどり合いました。特に,上町かんまち寺内てらうち安久戸あくと原田はらだ名木沢なぎさわの5つの地区の振り付けはとても有名で,笠まわしにはそれぞれの持ち味があります。徳良湖が完成したとき,笠に紅色べにいろめた紙のかざりをつけて踊り,盛大せいだいにお祝いしました。

昭和になり,伴奏ばんそうが加わって民謡化された花笠音頭が作られ,だれでも手軽に踊れる振り付けも工夫されるようになりました。笠にも大きな紅色の紙の花が6つつけられてはなやかなものとなりました。毎年8月に,尾花沢市ではもちろん山形市でも,まつりには花笠のパレードがくりひろげられ,正調花笠音頭せいちょうはながさおんどに合わせてたくさんの人々が踊りを楽しんでいます。国内でも各地で踊られ,海外にも紹介しょうかいされている花笠踊りですが,最近ではジャズダンスなどの新しい振り付けも登場しています。

【参考曲】
最上川舟唄もがみがわふなうた
紅花摘み唄べにばなつみうた
真室川音頭まむろがわおんど
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