宮城県みやぎけん:|秋保あきう田植たうえおどり斎太郎節さいたらぶし宮城長持歌みやぎながもちうた

 


秋保あきう田植たうえおどり

 「秋保の田植踊」は宮城県仙台せんだい市,太白たいはく秋保あきうまち馬場ばば地区,ながぶくろ地区,湯元ゆもと地区にそれぞれ伝わるいね豊作ほうさくねがいって行われる田植踊の総称そうしょうです。
 秋保の田植踊は,はなやかな衣装いしょうおどりが特徴とくちょうで,最初さいしょに男性が「弥十郎やんじゅうろう」という役を踊り,演目えんもく説明せつめいを行います。弥十郎の踊りに続いて,6~20人の小学生の女子が「早乙女さおとめ」という役を,美しい花笠はながさ振袖ふりそで姿すがたで,おうぎすずぜに太鼓だいこなどを手にして,田植えをまねて歌に合わせて踊ります。
 秋保の田植踊は,国の重要じゅうよう無形むけい民俗みんぞく文化財ぶんかざいに指定されています。
 また,平成へいせい21(2009)年,ユネスコ無形むけい文化ぶんか遺産いさん代表だいひょう一覧いちらんひょう記載きさいされました。
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斎太郎節さいたらぶし

 「斎太郎節」は宮城県牡鹿半島おしかはんとう沿岸地域えんがんちいきに伝わっていた櫓漕ぎ唄ろこぎうた(船をこぎながら歌う唄)が元になっているといわれています。少しさびしい感じのする節に,「エンヤートット エンヤートット」などの勇ましい掛け声かけごえが入ります。歌詞かしには,大漁のときの喜びやふるさとへのほこりなどがこめられています。

「斎太郎節」の生まれについてはほかにも,金華山きんかざんおきから気仙沼けせんぬま方面に「さいとく節」とばれる祝い唄いわいうたがあり,これがなまって「さいたら」になり,「斎太郎」の文字が当てられ,旋律せんりつも変化していったという説があります。

また,斎太郎という美声の持ち主が歌っていたことから,その名前が付いたという説もあります。江戸時代えどじだいのことですが,伊達藩だてはんのお金をつくっていた銭座ぜにざというところで働いていた人たちがさわぎを起こしたすえ,つかまって遠島としまというところへ連れて行かれるという事件じけんがありました。その中に斎太郎という人がいて,後に漁師りょうしになったかれは船をこぎながら,銭座で働いていたころに歌っていた「銭ふき唄ぜにふきうた」の歌詞をかえて歌ったといいます。この歌がのちに「斎太郎節」になったというものです。しかし,現実げんじつには斎太郎という人物が本当にいたのかどうかも分からず,この説はお話としてつくられたのではないかといわれています。

昭和に入ると,後藤桃水ごとう とうすい八木寿水やぎ じゅすいの2人は,「斎太郎節」,「ドヤ節」,「遠島甚句としまじんく」の3つの歌を合わせて歌えるように編曲へんきょくして,「大漁唄い込みたいりょううたいこみ」と名付けました。この「大漁唄い込み」がテレビで放送されたり,また「斎太郎節」がラジオ放送を通して宮城県だけではなく,東北の各県や全国にまで広まったりしたので,愛好する人は増えていきました。その後,真ん中の「ドヤ節」はしだいに歌われなくなり,「斎太郎節」と「遠島甚句」が続けて歌われるようになりました。
民謡みんようの中でも人気のある「斎太郎節」は,今でも民謡の会やお酒の席で欠かせない1曲になっています。
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宮城長持歌みやぎながもちうた

 長持歌ながもちうたは,昔の結婚式けっこんしきにおける花嫁行列はなよめぎょうれつよめ入り行列)にて,歌われたいわいの歌です。この歌は全国的に広まっていますが,特に秋田あきた県と宮城みやぎ県のものが有名です。
 宮城県では,「さんさ時雨しぐれ」や「お立ち酒」といった,ほかの民謡みんようとともに歌われることもあります。
 長持ながもちとは,新婦しんぷの嫁入り道具(服や布団ふとんなど)を入れて運ぶ長方形の大きな箱のことです。この箱に大きく長いぼうを通して前後2人でかついで運びます。長持歌は,運ぶ前の景気けいきづけや休憩きゅうけい時,担ぎ手の交代時などに歌われました。
 尺八しゃくはち伴奏ばんそうによるはくのない自由なリズムで演奏えんそうされ,ある5つの音でできた民謡音階みんようおんかいという音階で歌われます。宮城県登米とめ市では 毎年11 月に長持歌の全国大会が行われています。


*日本の神社で結婚式をする際に,神職しんしょく新郎しんろう新婦しんぷ・親族が並んで行列を作り,式が行われる神殿しんでんまで,ゆっくりと進んでいく儀式ぎしき
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