青森県あおもりけん | えんぶり | 津軽つがるじょんがらぶし| ねぶた囃子ばやしとねぷた囃子 |

 


えんぶり
 青森県の東部,特に八戸はちのへ地方を中心に伝わる芸能げいのうで,稲の豊作ほうさくねがって行われる田植踊たうえおどりの一つです。「えんぶり」とは,田植え前に田をならすエブリという農具の名前に由来します。
現在げんざいは2月17~20日に,八戸市神社に参拝さんぱいしたあと,市内の商店街しょうてんがいなどを門付かどづけ*して回ります。それを見に観光客かんこうきゃくなども多く集まります。馬の頭をかたどった大きな烏帽子えぼしを着けた太夫たゆうばれる3~5人のおどり手が,ふえ太鼓たいこ手平鉦てびらがねのにぎやかな囃子はやしと歌に合わせ,エブリを地面にいたり,こすったりする動きをくり返します。子どもによる「エンコエンコ」という余興舞よきょうまいが行われることが多いです。
 「えんぶり」には,ながえんぶり,どうさいえんぶりの2種類しゅるいがあります。ながえんぶりは,烏帽子に牡丹ぼたんの花を付け,動きがゆったりとしているのが特徴とくちょうです。どうさいえんぶりは,烏帽子の前に長い色紙いろがみれ下げ,太夫全員の動きが同じで,エブリをこするときに「ドウサイ,ドウサイ」とかけ声が入るのが特徴です。
 なお,「八戸のえんぶり」は,国の重要無形民俗文化財じゅうようむけいみんぞくぶんかざいに指定されています。

*門付け:家の前で芸能を見せて回ること。「かどつけ」とも読みます。

 

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津軽つがるじょんがらぶし
 青森県には,津軽三つ物または三大民謡みんようばれる音楽があります。「じょんから節」「よされ節」「おはら節」の3曲です。「じょんから節」はこれらの中でも,特に知られています。
 「じょんから節」の始まりにはいくつかの説があります。一般的いっぱんてきには,江戸時代えどじだい後期に越後えちご(今の新潟にいがた県)で生まれた「新保広大寺節しんぼこうだいじぶし」がそのもとであると考えられています。「新保広大寺節」は,歌い手の「越後ごぜ」たちによって口説節くどきぶし(物語を長々と語るもの)となり,全国に歌い広められました。「じょんから節」は,北上した「ごぜ」たちによって歌いつがれたこの口説節が変化したものと考えられています。

 「じょんから」という名の由来についてもいくつかの説があります。ここでは,南津軽郡みなみつがるぐんを流れる浅瀬石川あせいしがわ上流の「上河原じょうがわら」という場所に関する説をしょうかいします。
 昔,津軽藩つがるはんが土地を切り開くために,浅瀬石あせいし城主じょうしゅだった千徳政氏せんとくまさうじという人のおはかをほり起こそうとしました。そのとき,常縁じょうえんというそうが,墓をほり起こすことに反対して,津軽藩に抗議こうぎをしました。しかし,このことが原因げんいんで,常縁は追われる身となり,最後は川に身を投げて死んでしまいました。そのため,村人はその河原かわら常縁河原じょうえんがわらと呼び,常縁のれいをなぐさめるために歌い出した口説節が,この歌の始まりといわれています。その後「常縁河原」は「上河原じょうがわら」と呼ばれるようになり,「じょうがわら」が「じょんから」に変化したといわれています。
 津軽じょんから節には,テンポの速い「旧節きゅうぶし」,ゆるやかな「中節」,やや速度を上げて歌い上げる「新節」,いちばんのり上がりとなる「新旧節」などがあります。歌の前には,津軽三味線つがるじゃみせんによる前奏ぜんそう演奏えんそうされます。また,津軽じょんから節には,曲弾きょくびきといわれる,歌の入らない津軽三味線の演奏だけによるものもあります。

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ねぶた囃子ばやしとねぷた囃子
 「ねぶたまつり」は青森県の夏のお祭りです。津軽地方つがるちほうのいくつもの市町村で行われます。大きな行燈あんどんに明かりをつけて,大勢おおぜいで町を練り歩く夜のお祭りです。
 中でも有名なのが青森市の「ねぶた祭」と弘前市ひろさきしの「ねぷたまつり」です。形の上から,青森市のねぶたは「人形ねぶた」とばれ,木と針金はりがねと紙で作った人や動物の形を組み合わせたものです。一方,弘前市のねぷたは「おうぎねぷた」と呼ばれ,大きな扇形の行燈に武者絵や中国の昔のお話の絵などをえがいたものです。

 では,青森市の「ねぶた祭」について少しくわしく説明せつめいしましょう。
 青森市の「ねぶた祭」は国の重要無形民俗文化財じゅうようむけいみんぞくぶんかざいに指定されており,毎年350万人をこえる観光客かんこうきゃくでにぎわいます。ねぶたの大きさは,横はば9メートル,高さ5メートル,奥行おくゆき7メートルほどで,見上げるような大きさです。題材は,歌舞伎かぶきや日本の歴史,中国の昔のお話などからえらばれます。
 ねぶたの前にはたくさんのハネト(跳人)と呼ばれる人たちがいて,お囃子はやしに合わせて跳ねるようにおどったり,「ラッセラー,ラッセラー,ラッセラッセラッセラー」とかけ声をかけたりしながら進みます。また,ねぶたの後ろにはお囃子を演奏えんそうする人たちがしたがいます。このようなねぶたが20台以上も次々と大通りを練り歩くのですから,たいへん大がかりなお祭りです。

 「ねぶた囃子」は,このねぶたが進むときのお囃子※です。使われる楽器は大きな太鼓たいこと横笛,それに手振てぶがねと呼ばれるシンバルにた小さな打楽器です。
 「ねぶた囃子」は,はずむようなリズムの元気のよい2拍子びょうしの音楽です。2小節で1フレーズ,7つのフレーズで1まとまりです。ねぶたが進むときにはこの7つのフレーズのまとまりをくり返し演奏します。青森の人たちは遠くからこのお囃子が聞こえてくると,うきうきと踊り出したくなるのだそうです。

※注
「ねぶた囃子」は,くわしくいうとねぶたが進むときのお囃子のほかに,格納庫かくのうこであるねぶた小屋から出るときのお囃子や,祭りが終わってねぶた小屋にもどるときのお囃子など,何通りもあるのですが,ここでは簡単かんたんに説明しました。実際じっさいに青森市民に親しまれているのも「進行のお囃子」です。

 次に,弘前市の「ねぷたまつり」について少しくわしく説明しましょう。
 弘前市の「ねぷたまつり」も,国の重要無形民俗文化財に指定されており,おうぎの形をした扇ねぷたが特徴とくちょうです。
 台の上に扇形の箱をつくり,これに紙をり,その紙に中国の「三国志さんごくし」や「水滸伝すいこでん」,日本の「源平盛衰記げんぺいじょう(せい)すいき」など,たたかいをテーマとする物語を題材だいざいにした絵がえがかれています。
 ねぷたの大きさは,横幅6メートル,高さ5~9メートル,奥行き4メートルほどになり,80台ほどのねぷたが,笛や太鼓,かねの演奏と,「ヤーヤドー」のかけ声に合わせて,町を練り歩きます。
 「弘前ねぷた囃子」は,ねぷたの後ろに大型おおがたの太鼓屋台がつづき,その後ろに笛と鉦の奏者がついて歩きながら演奏します。
 曲目は,練り歩くときの「進行」,ねぷたが止まっているときの「休み」,ねぷた小屋へもどるときの「もどり」の3つになります。

【参考曲】
岩木山いわきさんお山参詣さんけい
「登山ばやし」「下山ばやし」
・津軽の五大民謡
「津軽あいや節」
津軽小原節つがるおはらぶし
津軽三下つがるさんさがり」
「津軽じょんから節」
「津軽よされ節」
南部七節なんぶななふし
「南部あいや節」「南部馬方三下りなんぶうまかたさんさがり
南部追分なんぶおいわけ」「南部甚句なんぶじんく
「南部どどいつ」「南部にかた節」「南部よされ節」ソーラン節
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