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四世 杵屋六三郎(きねやろくさぶろう)

(1780〜1856 東京)
杵屋六三郎は,江戸(えど)時代から今日まで名前を受けつぐ長唄(ながうた)の三味線方(しゃみせんかた)です。江戸時代の後期に活躍(かつやく)した四世六三郎は,代々の中でも最も有名な人物で,演奏と作曲の両面で名人といわれています。
安永(あんえい)9年,彼(かれ)は江戸の板橋宿(いたばししゅく)の宿屋の次男として生まれました。幼いころから母親に三味線を教わってめきめきと才能を発揮し,初世杵屋正次郎(しょうじろう)に入門します。10代の終わりごろに初舞台(はつぶたい)に上がり,20代の終わりごろには四世六三郎の名前をつぎました。
作品としては,七代目市川(いちかわ)團十郎(だんじゅうろう)のために作曲した長唄「勧進帳(かんじんちょう)」がよく知られています。ほかに,「吾妻八景(あずまはっけい)」や「老松(おいまつ)」など,歌舞伎(かぶき)をはなれたお座敷(ざしき)長唄にも名曲を残しています。

※長唄:江戸時代に歌舞伎の伴奏(ばんそう)音楽として発達した音楽。主に,唄(うた)と三味線で演奏されます。
※三味線方:長唄などの演奏で三味線を専門に担当する人。
※七代目市川團十郎:市川團十郎は代々,荒事(あらごと)と呼ばれる力強い演技を得意とする歌舞伎役者。七代目は,「歌舞伎十八番」を定めたことでも知られています。

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