
ナイ
ルーマニア
ナイは,パンパイプ(パンフルート)という楽器の,ルーマニアでの呼び方です。ルーマニアのナイは,ギリシャの羊飼いが伝えたとされる,シュリンクスという笛がもとになったといわれています。
もともとは,長さのちがう木でできた管を7〜8本たばねただけの簡単な構造で,下部には木のわくがはめこまれていました。「ラウタール」と呼ばれる,音楽を職業とする人々が愛用してきた楽器でしたが,20世紀に入り,ファニカ
ルカという名演奏家が現れ,管の本数を20本以上に増やしました。それによって音域が広がり,楽器の演奏法も改められ,ナイは独奏楽器としての地位を築きました。今日では,ルーマニアの民族楽器の中でも,最も有名な管楽器とされています。
ナイの管は,演奏者から見て左へいくにつれて音が高くなるように並んでいます。その音色は,ほかの楽器ではきくことができないようなみりょくをもっています。
【参考曲】
・「かべぬり女のスルバ」
この曲名にある「スルバ」は,ルーマニアの代表的な民族舞踊のことです。その身ぶりが両手でかべをぬる動きと似ているため,この曲名が付けられたといわれています。
ナイの演奏に,ハンガリーのツィンバロムという楽器と同じ種類の楽器の伴奏が付けられた,とても速い2拍子の曲です。