さくらももこ 作詞 / 相澤直人 作曲
詩はさくらももこの詩集『まるむし帳』から。
「キミウタ」に掲載されている楽譜は、「卒業式バージョン」として作曲者自身によって編曲された、ピアノ伴奏付きの混声三部合唱です。
楽曲情報
- 曲態:混声三部合唱
- 演奏時間目安:2分47秒
- 調:へ長調
- 拍子:4分の4拍子
- テンポ:ややゆったりと, あたたかい気持ちで
この曲の音の高さ
曲について
この曲は、実は最初はピアノのために書いた曲だったんです。ある時、本屋でさくらももこさんの詩集に出会って、詩も書かれているということをその時初めて知って、パラパラとめくっている中で目に留まったのが「ぜんぶ」という詩でした。その詩を読んだ瞬間に、あの時書いていたピアノ曲にこの言葉が乗りそうだと思い、合唱曲を書きました。なので、詩と曲が奇跡的に出会った、僕にとっても思い出深い、大切な曲です。
「大切なことはぜんぶここにある」と冒頭で書かれていますが、僕にとってもこの曲には全てが詰まっています。みなさんにとっても、この曲との出会いが素敵な出会いになるように、願っています。
(相澤直人:作曲)
演奏するときに気を付けること
とても滑らかで優しいレガートの旋律をもつ曲ですので、音が「たいせつ・な・こ・と・は」と打楽器を叩くような音にならないように、なるべく息使いは管楽器を吹くように、音と音の間をなるべく滑らかに歌うことが大切です。
「泣くこと 笑うこと 怒ること 喜ぶこと」と、喜怒哀楽を表す言葉が一つずつ出てきますが、ただ書いてあるから歌うのではなく、例えば「笑うこと」というのはどういうふうに笑ってどういうことなんだろう?ということを一人一人違ってもいいので、イメージをもってから歌うことが大切です。それだけで歌の表情や音色が変わってくるので、ぜひイメージを大切にしてほしいです。
(相澤直人:作曲)
よりよい演奏をするために
この曲は「大切なことはぜんぶここにある」というメロディーが3回出てきます。もっと細かくいうと、ピアノ最初のメロディーも同じようなものですし、「あたりまえの気持ちは」というところも音の高さは違いますが同じようなメロディーです。なので、毎回同じにならずに、変化をつけることが大切です。
特に、盛り上がったあと、いちばん最後の部分はピアノ(p)で書かれています。大切なことを言うときは、大きな声で言わずに、小さい声で言う方が伝わることが多いです。消極的になるのではなくて、大切な思いをたくさん込めるから少しゆったりと歌うなど、ぜひ音楽に生かしていただきたいと思います。
(相澤直人:作曲)