
トーキングドラム
アフリカ西部・ガーナ・ナイジェリア
アフリカに住む人々の生活の中では,音楽がとても多くの役割を果たしています。例えば,神話や伝説,教訓,身の回りの出来事などが,音楽に織り交ぜられて演奏されます。また,病人の治療,雨ごいなどの呪術や宗教的な目的に,音楽が使われることもあります。そして,人生の節目となる大切な行事(子どもの誕生,成人式,結婚式,葬式など)でも,音楽はなくてはならないものになっています。
トーキングドラムは,ふだんの生活で使われる言葉の中で,まるで音楽のように上がり下がりのある言葉の長短や強弱,高低などをドラムでまねして,聞き手に伝えようとしています。
アフリカでは,トーキングドラムは「ブングング」と呼ばれ,伝えたい内容を伝達するための信号として使われていました。こちらが,本来の意味でのトーキングドラムです。例えば,裁判などで,さまざまな意思を伝えるために使用されるなど,トーキングドラムにはとても大切な役割があります。また,ふだんの生活で使われるような物や場所などすべてを,表すことができるといわれています。
さらにもう一つ,音楽として楽しむために行われるトーキングドラムがあります。民族音楽としては,こちらのトーキングドラムのほうが,人々の注目を集めつつあるようです。
【参考曲】
・「オバタラ」
「オバタラ」は,アフリカ西部にあるナイジェリアのヨルバ民族の神話に登場する神様の名前です。ここでのトーキングドラムは,その神様との交信を目的として演奏されています。太鼓によって表現される音色のおもしろさや打楽器によるリズムの複雑な重なりなどが,ききどころとなるでしょう。