郷土の音楽:北海道

北海道(ほっかいどう): |アイヌの古式舞踊(こしきぶよう)|江差追分(えさしおいわけ)|ソーラン節(そーらんぶし)|姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)
アイヌの古式舞踊(こしきぶよう)


 主に北海道に古くから住んでいるアイヌの人々が,祭りや祈願(きがん) ,祝(いわ)いのときに演(えん)じる歌や踊(おど)りを一つにまとめた呼(よ)び名を「アイヌの古式舞踊」といいます。
喜(よろこ)びや悲しみを体で表すアイヌ古式舞踊は,自分たちが楽しむだけでなく,カムイ(神々)や祖先(そせん)に対して敬(うやま)う気持ちや感謝(かんしゃ)の気持ちを表すことでもあります。その中でも動物と人間の世界が深く関係(かんけい)し,演技(えんぎ)の中に動物の動きや声をまねした表現(ひょうげん)が多く取り入れられています。
歌や踊りは,北海道各地(かくち)によってリムセ,ウポポ,ホリッパなどさまざまに呼ばれ,その土地特有(とくゆう)の踊りが伝えられています。
国の重要無形民俗文化財(じゅうようむけいみんぞくぶんかざい)に指定されており,平成(へいせい)21(2009)年には,ユネスコ無形文化遺産(むけいぶんかいさん)の代表(だいひょう)一覧表(いちらんひょう)に記載(きさい)されました。

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姥神大神宮渡御祭(うばがみだいじんぐうとぎょさい)
「姥神大神宮渡御祭」は,北海道でいちばん古いお祭りで,毎年8月9日から3日間にわたり北海道江差町(えさしちょう)で行われています。ニシンの大漁(たいりょう)を神に感謝(かんしゃ)したのが始まりといわれています。
お囃子(はやし)は,京都の祇園囃子(ぎおんばやし)が元になっているといわれ,楽器(がっき)には笛や太鼓(たいこ),鉦(かね)が使われます。場面によって3つに分けられ,町内を巡(めぐ)るときは「行き山」,山車(やま)を奉納(ほうのう)するときは「立山(たてやま)」,帰り道では「かえり山」を演奏(えんそう)します。また,13台の山車ごとにそれぞれ違(ちが)うお囃子をもつので,お囃子は全部で39曲にもなります。13台の山車と3基(き)の神輿(みこし)が,このお囃子にのって威勢(いせい)のよい掛(か)け声とともに町内を練(ね)り歩きます。
山車には,人形が乗った屋台型(やたいがた)のものが12台と,船型のものが1台あります。そのうちの「神功山(じんぐうやま)」の人形と附属品(ふぞくひん),船型の「松宝丸(まつほうまる)」は北海道の有形民俗文化財(ゆうけいみんぞくぶんかざい)に指定されています。夜になると,山車に付いた電飾(でんしょく)によってとても華(はな)やかになり,それとともにお囃子と掛け声もだんだん大きくなってお祭りはクライマックスに近づいていきます。

 

 

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江差追分(えさしおいわけ)
「江差追分」は,北海道を代表する民謡(みんよう)です。江差町(えさしちょう)に古くから伝(つた)わる民謡の一つで,その始まりについてはいろいろな説(せつ)があります。その一つが,信州(しんしゅう)(現在(げんざい)の長野県)の「追分節(おいわけぶし)(信濃追分(しなのおいわけ)ともいう)」が越後(えちご)(現在の新潟県(にいがたけん))に伝わって「越後追分(えちごおいわけ)」となり,日本海沿(ぞ)いを通って蝦夷地(えぞち)(現在の北海道)にたどり着き,「江差追分」として定着したというものです。「江差追分」も多くの民謡と同じように,歌い伝えられる途中(とちゅう)で,伝わった先の土地にある民謡などと結(むす)びついたりしながら,だんだんとその土地に合った音楽に変化(へんか)していったのでしょう。
「江差追分」は,「前唄(まえうた)」「本唄(ほんうた)」「後唄(あとうた)」の3つの部分に分かれる長い曲で,伴奏(ばんそう)には,一般的(いっぱんてき)に尺八(しゃくはち)が使われます。毎年9月には「江差追分全国大会」が開かれ,全国から歌い手が集まって歌を競(きそ)い合います。
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ソーラン節(そーらんぶし)

「ソーラン節」は,ニシン漁の仕事をするときに歌われていた歌の一つです。この仕事をするときに歌ったものには,「船こぎ音頭(おんど)」「網(あみ)おこし音頭」「子たたき音頭」など作業ごとにいろいろとありますが,網に入っているニシンを運搬(うんぱん)するための船に移す作業のときに歌った「沖(おき)あげ音頭」が,今日の「ソーラン節」の元になっています。

ニシン漁は,江戸時代(えどじだい)から明治時代,そして大正時代にかけて,とても盛(さか)んでした。そのため,北海道の日本海側には,ニシンをとるために,日本各地からたくさんの人々が集まってきました。そして,東北地方からやってきた人たちが口ずさんでいた歌の中に,「ソーラン節」とよく似(に)た歌があったようです。やがて,この歌の替(か)え歌が各地で歌われるようになり,それが今日の「ソーラン節」になっていったといわれています。

現在(げんざい),札幌(さっぽろ)で初夏に行われる「YOSAKOIソーラン祭り」は,高知県の「よさこい祭り」と北海道の「ソーラン節」が組み合わさってできたもので,今や全国的にも有名なイベントです。

※ 現在(げんざい),耳にするソーラン節のリズムや旋律は,昭和10年に札幌(さっぽろ)の民謡家(みんようか),今井篁山(いまい こうざん)が三味線(しゃみせん)の伴奏(ばんそう)に合うように整えたものです。
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